blog/2006-11-07


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「逃げる」とは?

逃げるとはどういうことなのか。一般的には、自分がおかれている状態から退去することである。辛いことや、苦しいことから逃げたくなるのは人間の本質である。しかし、その多くはなんとかやり遂げるのが普通というものだろう。しかし、その重圧に押しつぶされてしまう事も時にはある。自分の場合、4年ほど前・・・prologue.infoの時代から今のサイトができるまでのおよそ1年間のブランクがその状態だった。

いわゆる鬱である。そのとき、自分は部屋の外へ出ることが出来なくなった。原因はいろいろあったと思うが、他の道を選んだところで回避できたとは到底思えない。なぜならば、そのとき自分が持っていた癖が、その鬱の症状を裏付けるものであったからだ。具体的には、鼻の下を擦るとか。そんな癖が生じたのは、高校2年の時だったと思う。そればかりか、急に頭の中がテンパって何をしたらいいのかわからない症状は、小学生の頃からあったと思う。今でも思い出すのは、小学5年の図画の課外授業で忘れ物を取りに行ったとき、急に何を思ったか本を読み始めたのだ。なぜそうしたのか、明らかに非合理的であり、不可解である。自分のこととは思えなかった。もっとさかのぼると・・・と言ってもきりがない。全てが、鬱という症状に帰結していた。ただそれがわかった時期でもあった。

さて、今までは自分が「逃げた」理由の話である。実は大学の研究室でも、研究室に来なくなってしまった人が2人ほどいる。一人目は、初対面の時から元気がなく、うつろな目をしていた。それは、まるで自分が鬱になった時のことを思い出させる。最初は、しっかりと週1回のゼミに来ていたが、だんだん来なくなっていった。(ただし、自分の場合就活で結構休んでいる)そして5月末のある日、そんな彼の態度に教授はキレて「本気でやる気あるの」と問い詰めた。彼は「自分も、バイトがあって生活がかかっているんです」と答えた。で、残りの授業時間は、教授の注意で終わったが、それっきり彼を目にすることはなくなってしまった。もう一人は、最初はちゃんと来ていたし、そこそこ話もしていたと思う。しかし、卒論発表の日になってから唐突に来なくなってしまった。(ちなみに、この日も自分は午後から就活で途中で抜けた)それっきりである。

研究室から、2人いなくなってしまったのだ。しかし、後期が始まり、やっと名前と顔を覚えることができるようになった頃、その消えた2人についてが、たまたま話題になった。どうやら、その2人は共に、後期の履修登録を済ませているらしい。しかし、研究室には来なかった。自分の大学は理系なので、卒論免除という話はありえない。つまり、必修単位である。他の研究室の状況はわからないが、少なくとも自分の目からは、教授は卒論を極力簡単な内容になるように意図的にしているようにも見える。

優しいのだ。とても。

にも関わらず、結局その2人を目にすることはできなかった。後で、そのことについて教授と話す機会があったので、「やっぱり、外にも出られないような状態になったんじゃないですか?」と聞いてみた。すると、「いや、そんなに酷い状態に見えなかった」と教授は答えた。自分が鬱悪化で外にも出られないような状態になった時の顔を覚えているはずだからまちがいないだろう。

「逃げる」という行為・・・単に苦しいから、・・・面倒(=不安)だから・・・・

彼らは違うのだろうか。


Last Modified: 2006-11-09 02:21:41